「どう考えても、おかしかろぅが。人間が神じゃぁいう、不確定なもののために命張るとか。
なんか目的があるんじゃろ?ほら、はよ言え」
「ウタ……以外、ない…」
「嘘言うなぁ!人間はすぐ裏切るんじゃけぇのぉ!!」
「そんなこと……!」
「偽善やこぉ、聞きとぉねぇわぁ!!」
「!?」
大神様の大声が、本殿内の柱を振動させた。
天井からは、はらはらと塵が舞い降りてくる。
「ワイも元は人間界におった。じゃけぇ人間の黒い部分、全部知っとんじゃけぇ」
「……え?」
大神様が……人間界に!?
「もちろん人間としておったわけじゃねぇ。
鬼神(おにがみ)、ウラとして……じゃ」