ウタクだって息をするのがやっとのはずなのに。 「のぉ、何が目的じゃ?」 大神様が私の目の前にしゃがみこむ。 「……っゲホッ……ウタクを……助け……」 「まだ言よん?まだ助けられると思っとん?阿呆の極みじゃな」 「ウタ……」 「ウタク、ウタク!うるせぇのぉ!!」 髪の毛を引っ張り上げられ、壁に強く押しつけられた。 どうしてだろう。 尻目で見る大神様の瞳は……少し、揺らいでいる。