体を丸めてしゃがみこんでいたために、今度の攻撃は体全体で受けることとなってしまった。
「ッゲホ、ゴホッ」
痛みが体中を襲い、息をすることさえ難しい。
でも、ここから逃げるわけにはいかない。
ウタクの元へ行くには、どうしたって大神様を越えて行かなくちゃいけないんだ。
前かがみになりながらも、ゆっくりと立ち上がって大神様を見据えた。
隙があるようで、一切ない。
格闘技や剣道はしたことがないから、隙を見つけるなんて素人だけど……それでもわかる。
私がどう動いったって、大神様は必ず私を捕える。
ナライ、皐月さん……早く来てよぉ……!