でも答えは……
「ワイが楽しむためじゃ」
というさっきも聞いた、納得のいかないもの。
「……いかれた快楽主義者が」
私が怒りで小刻みに震えていると、祭壇の裏からウタクの微かな声が聞こえてきた。
確かに頭のどこかがおかしい。
それじゃないと、誰かを苦しめることが楽しいだなんて……思えない。
ウタクの言葉を聞いて、大神様は可笑しそうに笑った。
「そりゃ楽しいんが一番好きじゃけど、ちゃんと理由はあるわ。
元々ウタクは20歳で結婚するという掟を破っとる。
その上、婚姻の儀を済ませてねぇのに願いを叶えようとしたり、商売繁盛の神のくせに他の願い叶えようとしたり。
罰、受けて当然じゃろ」
20歳で結婚……。
狐の集落についてすぐ、住んでいる善狐から聞いた言葉を思い出した。