「ウタクは……自分の身を顧みずに、私の幸せを願ってくれた。

それなら、今度は……今度は私の番だよ!」


「実雨ちゃん……」



私の決意をナライに伝えていると、また……嫌な笑い声が聞こえてきた。


『フハッ。生温い馴れ合いなんぞ、見とぉねぇんじゃけどなぁ』

「なっ!」

『まだ来んのなら、ちょっとウタクに相手してもらおうか』



ガッ……!!


と、何かを蹴ったような音が聞こえて……



『グッ……!』



「ウタク!!」



ウタクのうめき声が聞こえた。



やっぱりまだ、ウタクは生きてる!



でもそのウタクが……ウタクが……!!