その姿が痛々しくて、私は皐月さんの元へ行き、彼の腕を取った。
熱く腫れあがっている手は、水膨れを通り越し、膿んでいる。
うっすらと潤んだ瞳が……私をキツク睨みつける。
「お前だけがウタク様を助けられるなんて……!」
「……皐月さん」
皐月さんは、私よりずっと長くウタクの側でいて、ウタクのことを見守ってきた。
それなのに、この先へは進めない……。
なんて言っていいかわからず、私はそっと皐月さんの手を離した。
皐月さんは悔しそうに唇を噛み締めると、拳を作り、何度も地へ叩きつけていた。
どうにもできない思いを……吐き出すように。
そこへ瞳から落ちた滴が、水玉模様を描いては消え、また描かれていた……。
「皐月さん……!私が、ウタクを助けるから……」
「実雨ちゃん、一人で行くのは危険だ!」
「ナライ!」
でも危険なんて言ってられない。