「ナライ!!」


私は慌ててナライの元へ駆け寄った。

ナライは足を抑え、顔をしかめている。


「いってぇ……なんかバチッてきた!」


抑えていた手を離すと、赤く腫れていた。


……皐月さんの腕の様子と似てる?


「皐月さん……これって……」


私が皐月さんに何か知っているか聞こうとした時……。



『狐の次は狸かー……』



空から欠伸混じりの声が聞こえてきた。