「あとさ、その腕はどうした?」
ナライも気になったらしい。
素っ気なく、でも心配そうに尻目で皐月さんの様子を窺いながら尋ねた。
皐月さんは表情一つ変えることなく、両腕を後ろへ隠す。
「あなたに答える必要はないでしょう。怪我を治してくれるわけでもないのに。
それにあなた達こそ何しに来たんですか?さっさとお帰りなさい」
皐月さんの細い目が私を捕え、静かに睨みつけた。
「特に……お前」
「な、何よ!」
「ウタク様の好意を無にするとは……」
皐月さんは悔しそうに顔をしかめた。
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