そこには……
白い着物を身にまとい、黄金色の髪をサラリとなびかせた……
皐月さんがいた。
「……皐月さん!なんでここに!?」
驚いて一気に腰を上げると、まだ痛みが走った。
でも私が、木のてっぺんと同じくらいの高さから落ちても、これだけの怪我で済んだのは……。
「もしかして、皐月さんが助けてくれたの?」
「んなわけあるか!!」
隣で怒りをぶちまけるように、ナライが叫びながら立ち上がった。
「あ……な、ナライ!」
「実雨ちゃん、俺の存在忘れてただろ」
「え、えぇっと……」
「俺が咄嗟に術を出したから、落下しても大丈夫だったんだぞ!」
「ありがとうございます」
私は申し訳なさと感謝から、深々と頭を下げた。
そうだよね。
皐月さんが助けてくれるはずないんだってば。