泣いてたんだ、私。



「俺のせい…?」

「違います。」



お母さん。お父さん。
1度でいいから頭を撫でてほしかったです。抱き締めてほしかったです。



「君、名前は?」

「聖子です。」

「俺、幸人な。幸せな人って書くんだ。名前負けだろ?」

「わかりません。」

「ハハハ。確かに。」



幸人さんは笑って、また私の頭を撫でた。