私の両親は私が小さい時に離婚。 経済的理由で私を育てられなくなった母は私を施設に預けた。 だから、私は両親に頭を撫でられたりとか、抱き締めてもらった思い出はない。 預けられた施設は、事務的な施設で、あまり家族感があるところじゃなかった。 だから、帰らなくたって心配してくれる人はいない。 「おい!なんで泣いてんだ?」 部屋に戻った幸人さんは持っていたカップをそばの机に置いて、私の顔をのぞいた。