「桜、これ、母さんから。」 「あ、ありがとう…。」 共働きで、出張や残業の多い私の両親はあまり家にいない。 それを気づかって、一輝のお母さんがなにかと世話を焼いてくれて、夕飯のおかずとかを一輝に持たせて渡してくれる。 当時それだけが唯一、私と一輝の繋がりだったから、取りに伺いますだなんて言えなかった。