気が付いたらお兄ちゃんは部屋を出ていってた。



「泣いた…?」

「ううん。泣いてない。」



優夜には言えない。
だって怒られる。…ううん。
何も言わないかもしれない。



「なんで嘘つくの?」

「嘘じゃ…」

「お兄さんから聞いた。」



や、ヤダ…。

優夜には知られたくなかった。