あいつ、………一輝と出会ったのも春だった。 3歳の時、ご両親の都合で私の住んでいた町に越してきた。 それから、私と一輝は兄妹みたいに育った。年は同じなのに、誕生日が2ヶ月早いんで、一輝はいつもお兄さんぶっていた。 「さくら、お茶いる?」 「いるー。」 年を重ねるにつれて、だんだん一輝を男の子として意識しだしちゃって、いつのまにか隣にいるのが当たり前じゃなくなった。