「もぉ!そんなこと言って。
大樹のが頭いいでしょ?」

「そんなことねぇよ。
麗花が退院したらすぐに抜かされそうだ。」

「あたし、大樹と同じ大学にはいりたいの。だから、お願い。」

「…しょうがないな。大学入ったら俺のノート書いてね。」

と、おどけて言えば、
にこにこしながら頷いた。


叶うはずのない未来を描くのは辛い。

でも、叶うはずがないと

自分が諦めている弱さと

麗花を病から救ってやれない現実が

目の前に突きつけられたことが

何よりも

今の俺には苦しい。