やっぱすごいな・・・国立・・・
「何、ここ」
 予想以上に現実はすごかった。どこにこんな予算があったんですか、日本政府よ。てか、税金無駄遣いしすぎだろ、コラ。
「校長室はここになります。」
 案内してくれた事務員のおばさんがある部屋で立ち止まる。上をみると、
{校長室}と書かれたプレートがぶら下がっていた。
「ご自分で入れますか?」
 フリーズしている俺にそんな優しい言葉をかけてくれる事務員さん。あんた、いい人だ・・・
「いえ、大丈夫です。」
 ほんとはとても一緒に入って欲しかったけれども、事務員さんに迷惑かと思ってその申し出を断った。事務室を覗いてみたら仕事してたし。
「そうですか。では私はこれで」
 事務員さんは一度にっこりと笑うと、すたすたといった感じで去って行った。
「よし、入るぞ。」
 事務員さんが行った後、俺はがんばってノブヘ右手を伸ばす。そして左手を板の方へほってゆき・・・
 ノックした。
「どうぞ」
 部屋から聞こえてきた声におもわずビクッとなる。だけどもう後戻りはできない。
覚悟を決めてゆっくりノブを回す。
 そしてゆっくりと部屋の中に足を踏み入れた。