「ここが明日から通う学校か」
前の学校の制服を着て転入先の学校を見る。第一印象はそんなに悪くない。
国立のこの学校は国内でも3本の指に入るエリート校というやつで、やはりそれなりの設備はそろっている。親に聞いたところによると全教室の冷暖房が効いており、学食は一流のシェフを雇っているらしい。
こんなすごい学校に転入試験は当然のごとくあって、みごとパスしてここに挨拶しにきている。けっこう簡単だったな、あの試験。
今日は夏休みの最終日だが、この学校は登校日ではないらしく校舎の中に生徒はいない。
俺は柄にもなく緊張してふるえる指で正面玄関のインターホンを押した。ピンポーンというありきたりな音にびっくりして少し飛び上がってしまった。
『はい、どなた様でしょう』
インターホンから聞こえてきた事務員らしき人の声に、背筋が自然に伸びる。
「転入生の蒼 凛音ですが、転入の挨拶に参りました。」
なるべく緊張しているのを悟られないように短い言葉で用件をいう。それでも語尾が震えていなかったか心配だ。
『蒼さんですね。連絡は聞いております。どうぞ中へお入りください。』
事務員らしき人が言い終わらないうちにガチャッと鍵を開ける音がしてゆっくり扉が開いた。こんなところを自動にする意味があるのだろうか・・・。
開ききった扉に向かってゆっくり足を踏み出す。そのとき俺は緊張を混じらせながら、明日からはじまる学園生活に胸を膨らませていた。
だが、そんな希望はすぐさま砕け散っていった。
前の学校の制服を着て転入先の学校を見る。第一印象はそんなに悪くない。
国立のこの学校は国内でも3本の指に入るエリート校というやつで、やはりそれなりの設備はそろっている。親に聞いたところによると全教室の冷暖房が効いており、学食は一流のシェフを雇っているらしい。
こんなすごい学校に転入試験は当然のごとくあって、みごとパスしてここに挨拶しにきている。けっこう簡単だったな、あの試験。
今日は夏休みの最終日だが、この学校は登校日ではないらしく校舎の中に生徒はいない。
俺は柄にもなく緊張してふるえる指で正面玄関のインターホンを押した。ピンポーンというありきたりな音にびっくりして少し飛び上がってしまった。
『はい、どなた様でしょう』
インターホンから聞こえてきた事務員らしき人の声に、背筋が自然に伸びる。
「転入生の蒼 凛音ですが、転入の挨拶に参りました。」
なるべく緊張しているのを悟られないように短い言葉で用件をいう。それでも語尾が震えていなかったか心配だ。
『蒼さんですね。連絡は聞いております。どうぞ中へお入りください。』
事務員らしき人が言い終わらないうちにガチャッと鍵を開ける音がしてゆっくり扉が開いた。こんなところを自動にする意味があるのだろうか・・・。
開ききった扉に向かってゆっくり足を踏み出す。そのとき俺は緊張を混じらせながら、明日からはじまる学園生活に胸を膨らませていた。
だが、そんな希望はすぐさま砕け散っていった。