ラーミアが一匹残らず逃げていった。


機会音に弱いのだ。


「レイラさん、もういいですよ」


わたしは宙に浮いたまま、精神統一しているレイラに声を掛けたが、


「いや、まだだ!」


カッと目を見開いたレイラが、


「食らえ!空炎魔法メイランッ!」


突き出した両手から、渦を巻いた炎が、泉に向かって放たれた!


いや!


泉の中から姿を現した、特大ラーミアに向かって放たれたのだ!


しかし、


炎はアッサリ弾かれた。


「なにこいつ!反則じゃない!」


携帯の着信音を鳴らすも、地を揺らす雄叫びを上げる大蛇には通じない。


「逃げるぞ!」


叫んだレイラが飛び上がる。


「危ない!」


蛇の尾っぽが、レイラを地面に叩きつけた!