「静かに下りよう」


慎重なレイラを真似、キラキラと光る泉に降り立った。


泉というより湖、いや、もう海だ。


「卵を泉につけるのだ」


辺りを必要以上に見回すレイラに背を押され、わたしはポケットから、透明な卵を取り出した。


中のファーガルが、球体の中でグルグル泳いでいる。


とても嬉しそうだ。


思わずわたしも笑顔になる。


ソッと泉に浸してやると、とても強い線香花火のように、光がバチバチと火花を散らす。


エネルギーを貯めているんだ。


「ファーガルも喜んでるよ!」


わたしは2人に知らせようと振り返った。


‼‼‼


「動くな!」


レイラに一喝されるが、動けるわけがない。


目の前には、小さな団扇ほどの翼をパタつかせる、とぐろを巻いた蛇の大群が!


「ラーミアだ!猛毒を持っている!」


レイラは飛び上がり、羽で風を起こして蛇の攻撃を食い止める。