「うん」
か細い返事が聞こえたが、スピードは上がらない。
オレは急かすことなく、ボンヤリと、この奇妙な空を眺めていた。
空の上の空。
まさか、いつも覗いていた星空の上に、こんなにも美しい色があるだなんて。
人?が住み、空の神がいて、サンタがせっせとプレゼントの用意をしている。
夢の国。
そしてなにより、
俺さ、飛んでんだよね。
空を飛んでる。
風に乗ってる。
スゲー!
あ、なんかテンション上がってきた!もう戻れないかもしれないのに。
だから、
「ありがとな、沢村雪乃」
「なによ急に」
「連れてきてくれて」
「うん」