何だろう。
そう考えていたら、腕を勢いよく引っ張られて、土方さんの姿が見えなくなった。
屯所の廊下をずんずんと出入り口に向かって歩いている。
「ち、ちょっとっ!!離してよ!?」
私の言葉なんて聞こえていないようにどんどん土方さんの部屋から離れていく。
引きずられるようにして廊下を進んでいると、通り過ぎた一室から左之と新八と平助が出てきて私達を見つけた。
「助けて!!」
3バカに声を上げて助けを求めると、走って私を追いかけてきてすぐに追いつく。
新八が男の人の前に回り込んで止める。
平助と左之は私の片腕をつかむ。
「おっさん。お前何してる?なんでコイツを引っ張って行ってるんだ?」
新八がそう声をかけるものの男は冷たく新八を見下ろすだけ。