「遊、こいつとダチになれ」



「い、いきなり何っ?」



自分でもめちゃくちゃ言ってる事はわかる。

けど、遊をこのまま片桐葵衣とつるませたくない。



「基槻、どうしたんだー?」



剛がヘイジと現れた。

ヘイジは俺の机に座り、状況を把握しようと、話に耳を傾けている。



「名前、何?」



「…林舞子ですーハヤシマイコーです」



「林のダチが中学時代、片桐にイジメられて、自殺したらしい」



「…なっ、嘘でしょ…」



遊が“信じられない”というような顔で、俺と林を交互に何度も何度も見る。

剛は絶句し、ヘイジは俯いた林に、カッターシャツを肩に掛けた。

ヘイジはカッターシャツをTシャツの上に、上着代わりに着ているから。

校則違反だけど。