すると、頬を手で包まれた。



「キャッ――!」



ーードンッ

私は反射的に剛さんを突き飛ばしてしまった。

体がお兄ちゃんや基槻しか受け付けないらしい…。

肩に触れられる位なら、平気みたいだけど。



「ご、ごめんなさい!;;」



私は勢い良く頭を下げた。

剛さんは眉毛を八の字にしながら、力なく笑う。



「こいつが悪いから気にすんな」



基槻は剛さんを睨む。

私はアタフタするだけ。



「ごめんね、遊ちゃん;;
けど、その眼鏡って、基槻のだよね?似合ってる!」



剛さんは、私の顔、正確には基槻がくれた眼鏡を指差して笑った。

私は眼鏡を掴みながら「はい」と答えた。

基槻、剛さん、ヘイジさん、私たちは笑顔に包まれる。