同じ新人でも、遊は違った。

俺と一緒で立ちっぱなしなのに、“疲れた”なんて言わない。

輝いてて、仕事に誇りを持ってる。



「遊ちゃんは、介護士としては新人でも、ここではベテラン。利用者さんからの信頼も熱いのよ」



信子さんは電話を切った遊に駆け寄った。



「じゃんじゃん、働かせてね!」



そう言って、俺に視線を向けた。



「…………えっ!?」



遊は、俺を見て驚愕してる。

俺は軽く手を上げてから、気まずくて、ガラス張りの部屋へと目を逸らした。

すると、そこに居た1人の人が、「本物…」と言いながら、俺を指差しながら立ち上がった。