1時間ほどして、1号車から連絡が入り、正面玄関へと降りた。
「ミノルさん、おはよー」
私は利用者さんの車椅子を押しながら、エレベーターに3人ずつ乗せて行く。
「3人、上がりましたー」
「了解でーす」
2階に居る宮迫さんたちと叫んで情報を伝えてると、帰って来た菜月ちゃんと亜美さんが近付いて来た。
私は「どうしたの?」と言いながら、2人を事務所へと連れて行った。
「小池さん。“今日は見てて?”って言ったら、ずーっと、助手席でメールしてたわよ」
亜美さんがご立腹な様子で言う。
私は「注意しておきます」と頭を下げて、菜月ちゃんとまた、エレベーター前に戻った。