「リサ、起きろよ。」


呼び声に意識を引き戻され、目を開けると、すっかり陽も昇っていた。


タカはあたしの顔を覗き込んでいる。



「お前さぁ、何でいっつもベッドじゃなくてソファーで寝てんの?」


あぁ、と思って軋んだ体を起こすと、キッチンの方に道明さんがいて、驚いた。


挙句、彼は昨日の夜にあたしが飲み散らかしたビールの缶を片付けてくれていて、苦笑いしか返せない。


と、いうか、何でふたりは一緒なのだろう。



「しっかし、マジで疲れたよ。
何で俺が組の手伝いで占有なんかしなきゃなんねぇんだよ。」


不満を漏らすタカに、



「俺に言うなよ。
つか、こっちだって昨日は当番だったから、眠てぇんだっつの。」


朝からそっちの話で言い争わないでほしいものだ。


無視をして欠伸を噛み殺していると、



「あ、そういやリサ、学校あんじゃねぇの?」


「良いよ、行かなくても。」


ふうん、とタカは、さして興味もなさそうに言った。


彼はあたしに、ちゃんと学校に行け、なんてことは決して言わない。


したいようにすれば良い、としか言わないし、だから当然のように、あたしが学校をサボろうとも、それを咎めたりはしない。



「なら、みんなで飯でも行く?」


言い出すのはいつも、道明さんだ。