シロにご飯をあげてから、息をついて携帯を開いた。


そこにはいつも通り、無意味なメールが何通も届いている。




【愛してるよ。】

【何で電話に出てくれないの?】

【また遊ぼうよ!】




この、どうしようもない虚しさも、やりきれない孤独も、痛みも、煙草の苦さでさえも、嫌になる。


タカが出ていった静寂は、まるで覆い尽くす闇のようだ。


希望のひとつもない世界は混沌として、縋りつくべき場所さえ見失ってしまう。


春樹から逃げているのは、あたしだって同じ。


シロは灰色の瞳でこちらで伺っていた。



「おいで。」


あたしの膝の上に乗り、うずくまったシロは、心地が良さそうに目を瞑った。


せめてこの子にだけは、寂しい思いをさせたくはない。


タカの残した熱を探すように、余韻の在り処を辿ってしまう。


馬鹿なだけのあたし。


一体いつまで続ければ、こんな日々が終わってくれるのだろうか。


どうせ明日になったって、同じことを繰り返すだけだというのにね。