「つーか、前から思ってたけど、お前普段何食ってんの?」


タカは目を細め、首を傾けた。


栄養が乏しそう、という意味では、この人にだけは言われたくない感じだけれど。



「男に奢ってもらう時以外は、あんま食べない。」


正直に言ってやると、彼は肩をすくめる。


怒る気はなさそうだ。



「ったく、ろくでもねぇ女だな。」


「アンタにだけは言われたくないって。」


ろくでなし同士、また目が合って笑った。


笑ったのに、ふと、タカは真面目な顔をしてこちらを見た。



「お前さぁ、俺と…」


言い掛けた言葉を遮るように、彼の携帯の着信音が鳴り響いた。


舌打ち混じりにディスプレイを確認し、タカは再びそれをポケットに仕舞う。



「出なくて良いの?」


「いや、どうせ暇潰しの相手させられるだけだし。」


きっと女からだったに違いない。


あたしは呆れ半分で、



「で、さっきの続きは?」


改めて聞いたのに、やっぱ良いわ、と濁される。


消化不良でも起こしてしまいそうだけど、でもそれ以上の言葉を飲み込んだ。