ぶっちゃけると、パンツを売るのがあたし達の小銭を稼ぐ方法だ。


でも、普段身に着けているものを売りたくはないので、こうやって直前に、店で買っていくのが通例となっている。


ここは比較的リーズナブルで、でも可愛い下着が多いと若者に人気の店。


だから3人で“ワゴン内のショーツ3つで千円”を選んで割り勘で買えば、安上がりになる。


もちろん、それぞれが可愛いと思うものを探すのだけど。



「よーし、オッケ。」


続いて向かうのは、近くにある公園のトイレ。


そこであたし達は、今しがた買ったパンツに穿き変える。


ある程度の使用感を出さなければ、さすがに買い取ってはもらえないから。


で、準備も完了し、あたし達は待ち合わせの時間を潰すために、適当にマックへと入った。



「佐藤ちゃんってさぁ、裏ではかなり儲けてるはずだよね。」


乃愛が言った。



「まぁ、需要があるから供給してるだけよ、とか言ってたけど。」


「てか、エッチなオモチャ売ってるドアの裏で、生のパンツ売ってんだからね。」


普通、大人のオモチャを売ってる人だ、なんて言われれば、まず気持ちの悪いオヤジを想像することだろう。


でも、AV関係でもそうだけど、佐藤ちゃんだけじゃなく、そういう業界に女性は割と多いらしい。


実際にどれくらい儲けているのかは知らないけれど、でもぼったくってんだろうな、と思い出したように笑ってしまった。



「どうでも良いけど、うちらのパンツを誰が買ったのかだけは知りたくないよね。」


あたしの言葉に、ふたりは腹を抱えていた。


そして時刻は約束の6時半を迎える。