気付けばあたしは、テーブルに伏す形で眠っていた。
テレビの音に意識を引き戻されるように目を覚ますと、「起こしちゃった?」と結香さん。
「あたし、いつの間に…」
「疲れてたんでしょ?
気にしないで良いから、ベッド使って良いし、もう一眠りしときなよ。」
けれど、そういうわけにもいかないだろう。
彼女はテーブルの上に散らかったお菓子のゴミやコーヒーのカップを片付けていた。
あたしは伸びをしてから煙草を咥える。
『――…続いて、午前5時半の、地方ニュースをお伝えします。』
あぁ、もうこんな時間なのか。
だからってまだ、外は真っ暗で、時間の感覚なんてないけれど。
『今朝未明、M町の倉庫街で発砲事件があり、駆け付けた警察官は、付近で男性が撃たれて死亡しているのを発見し――…』
ガシャン、とカップの割れる音。
結香さんは体を震わせ、その視線の先では、
『――…なお、遺体は所持品などから、暴力団幹部、久保道明さんではないかとし、警察は組内部のトラブルと視て捜査を進めると共に――…』
嘘だと思いたかった。
だって、道明さんが殺されただなんて、そんなはずはないんだから。
そうだ、これは誤報か、とにかく何かの間違いだ。
「結香さん!」
彼女はふるふると首を振りながら、テレビを消す。
その瞳には涙が溜まっていた。
テレビの音に意識を引き戻されるように目を覚ますと、「起こしちゃった?」と結香さん。
「あたし、いつの間に…」
「疲れてたんでしょ?
気にしないで良いから、ベッド使って良いし、もう一眠りしときなよ。」
けれど、そういうわけにもいかないだろう。
彼女はテーブルの上に散らかったお菓子のゴミやコーヒーのカップを片付けていた。
あたしは伸びをしてから煙草を咥える。
『――…続いて、午前5時半の、地方ニュースをお伝えします。』
あぁ、もうこんな時間なのか。
だからってまだ、外は真っ暗で、時間の感覚なんてないけれど。
『今朝未明、M町の倉庫街で発砲事件があり、駆け付けた警察官は、付近で男性が撃たれて死亡しているのを発見し――…』
ガシャン、とカップの割れる音。
結香さんは体を震わせ、その視線の先では、
『――…なお、遺体は所持品などから、暴力団幹部、久保道明さんではないかとし、警察は組内部のトラブルと視て捜査を進めると共に――…』
嘘だと思いたかった。
だって、道明さんが殺されただなんて、そんなはずはないんだから。
そうだ、これは誤報か、とにかく何かの間違いだ。
「結香さん!」
彼女はふるふると首を振りながら、テレビを消す。
その瞳には涙が溜まっていた。