「それに、どんなに辛くても、苦しくても、同じ人生を歩むなら、笑ってる方が幸せでしょ?」


泣いてる分だけ勿体ないしね。


そう付け加えてから、彼女は美味しそうにポテチを頬張った。


結香さんは強くて真っ直ぐで、誇らしいまでに揺るがない人だ。


それは少し、羨ましくもあるけれど。



「ありがとうございます、結香さん。」


「何言ってんのよ。
リサはあたしにとって、大事な後輩であり、友達なんだから。」


だから出来ることなら何でもするよ、と、彼女は言ってくれた。


きっとこれも、道明さんのおかげだろう。


お兄ちゃんみたいなあの人は、いつもあたしに大切なことを教えてくれる。


タカを殺すのかもしれない彼だけど、でも、一緒に戻ってくる、と言っていた言葉を信じたかった。


首元のリングを握り締める。



「それ、大事なんだね。」


道明さんから貰った、タカとのお揃い。


唯一あたし達を繋ぐものだ。



「戻ってきたら、あたしもタカに伝えたいこと、いっぱいあるんです。」








ねぇ、タカ。


あたし達の望んだ未来は
こんな形じゃなかったのにね。