「ねぇ、これ可愛いと思わない?」


頬杖をついているあたしの横で、乃愛は雑誌に載った服を指差して聞いて来る。


胸の谷間が鬱陶しいけど。



「欲しいなら誰かに買ってもらいなよ。」


「うん、そうするー。」


わかっていながらも、その返答には呆れるばかりだ。


現在彼女は3股中で、毎度毎度男に色々と買ってもらいながら生活しているようなヤツ。


ちなみに、誕生日は年に5回ほどあるらしいが。


乃愛が制服を着てると、同じ格好してるのに、何故だかイメクラの女と話している気分にさせられる。



「てか、もらったアクセを質屋に流してるなんて知られたら、アンタ殺されんじゃない?」


「そこがあたしのすごいとこなんだって。
みんなから同じのをもらえば、それってひとつあれば良いわけじゃん?」


つまりは残りのふたつを売るってわけだ。


足し算もろくに出来ないくせに、こういうところに頭が回るんだから、変な意味で関心させられるけど。


まぁ、その豊満なバストは大きな財産なのだと思う。



「乃愛みたいなのに騙されてる男の方が可哀想だよ。」


言ってやると、彼女は噴き出したように笑っていた。


罪悪感はないらしい。


ろくでもない友人連中に囲まれて、男を最大限に利用しながら、虚しい毎日は繰り返される。



「そういやリサ、この前ヤスとかいうのと会ったんでしょ?」