少し街を外れた場所にあるマンションの駐車場内に入り、タカは車を停車させた。


そこにはイラついたような様子の道明さんが、煙草を吸いながら待ちくたびれたかのような顔で立っていた。


そして彼はあたしが一緒にいることに気付き、驚いたように目を丸くする。



「おいおい、どうしてリサちゃんまで?」


けれどタカは、



「時間がねぇから手短にだけ話す。」


そして辺りをうかがい、声を潜めた。



「俺らが探してる宮原春樹は、リサの弟だ。」


「え?」


「春樹は俺が逃がした。
けど、万が一のこと考えて、リサが危険なんだ。」


「タカ、ちょっと待てよ!」


道明さんは混乱しているようにそれを制するが、



「俺はこれから回収したビデオカメラ持って、一旦冬柴さんのとこに行かなきゃならねぇから。」


「………」


「頼むよ、道明くん。
アンタの立場だってわかってるけど、助けてほしい。」


真剣な眼差しで言うタカの言葉を聞き、道明さんはあたしを一瞥する。


そして彼は息を吐いた。



「状況は何となくわかったけど、お前それがバレたらどうなるかわかってんのか?」


「けど、リサまで巻き込まれるよりはマシだろ。」


道明さんは舌打ちを混じらせながらも、



「ったく、言い出したら聞かねぇんだから。」