ふたりでベッドに入った。
秋が深まったというよりは、冬が近づいたといった方が正しいのかもしれない。
本当に恐ろしくなるほど静かな夜で、あたしは無意識のうちにタカに抱き付いていた。
「風呂上りに外に出て、風邪でも引いたらどうすんだよ。」
鼻先が触れそうな距離で笑う彼の顔は、いつも通り。
その腕には今も、あたしが残してしまった一直線に引かれた傷がある。
「何だよ、まだこれのこと気にしてた?」
「だって…」
思わず口ごもってしまうと、
「俺が良いって言ってんだから、良いんだよ。
別に減るもんじゃねぇし、そっくりさんが現れたって腕見れば見分けつくだろ?」
何だそれ。
けれど笑ってしまうと、タカは安心したように優しい顔になる。
触れた唇。
今、世界中にはあたし達だけだという感覚に襲われて、それは不思議と心地が良い。
もう、無駄なことひとつ考える隙間がないくらいに、タカで満たし、埋め尽くしてほしかったから、
「愛してるの、タカのこと。」
何を今更、と思われるかもしれない。
けれどそれを言葉にしたのは初めてで、言ったあたしの方が逆に照れ臭くなってしまう。
タカは一瞬驚いた顔をして、でもまたすぐに笑った。
「こういうのが嬉しいって思えるってことは、俺すげぇ幸せなんだろうな。」
秋が深まったというよりは、冬が近づいたといった方が正しいのかもしれない。
本当に恐ろしくなるほど静かな夜で、あたしは無意識のうちにタカに抱き付いていた。
「風呂上りに外に出て、風邪でも引いたらどうすんだよ。」
鼻先が触れそうな距離で笑う彼の顔は、いつも通り。
その腕には今も、あたしが残してしまった一直線に引かれた傷がある。
「何だよ、まだこれのこと気にしてた?」
「だって…」
思わず口ごもってしまうと、
「俺が良いって言ってんだから、良いんだよ。
別に減るもんじゃねぇし、そっくりさんが現れたって腕見れば見分けつくだろ?」
何だそれ。
けれど笑ってしまうと、タカは安心したように優しい顔になる。
触れた唇。
今、世界中にはあたし達だけだという感覚に襲われて、それは不思議と心地が良い。
もう、無駄なことひとつ考える隙間がないくらいに、タカで満たし、埋め尽くしてほしかったから、
「愛してるの、タカのこと。」
何を今更、と思われるかもしれない。
けれどそれを言葉にしたのは初めてで、言ったあたしの方が逆に照れ臭くなってしまう。
タカは一瞬驚いた顔をして、でもまたすぐに笑った。
「こういうのが嬉しいって思えるってことは、俺すげぇ幸せなんだろうな。」