ふたりでそれぞれに封を切り、中に入れられた箱を開けて、また驚いた。


メンズとレディースの、揃いのネックレス。


いや、正確に言えば、シンプルな指輪にチェーンが掛けられていて、ペアリングを首から掛けるようになっている、という方が正しいか。



「それ、俺の知り合いに特注したやつだから、世界にひとつしかないデザインなんだ。」


タカとペアのものを、道明さんに貰ったということ。


それはとても意味のあることで、まるであたし達の関係そのもののよう。



「けど、こんなのホントに貰って良いの?」


「いいんだよ、誕生日ってのは人生の記念日なんだから。」


まぁ、どっかの馬鹿は忘れてたみてぇだけど。


そう言って彼はタカを小突きながら笑っていた。



「あ、俺そろそろ行かねぇと。」


「…え、もう?」


「ちょっと今忙しくて、これからまた遠出しなきゃならねぇから。
とりあえず今日中に、と思ってここ寄っただけだし、寝てるとこ悪かったな。」


道明さんはそのままきびすを返そうとするので、



「道明さん!」


「ん?」


「ありがと、嬉しかった。」


「そりゃ何よりだ。」


言って、扉が閉まった。


未だ横でバツの悪そうな表情を浮かべたままのタカに視線を移すと、彼は困った様子で煙草を咥えてしまう。



「悪ぃ、マジで。」