道明さんは過保護というか、タカを大切に思い過ぎている節がある。


どうしてそんなことを言うのかわからないけれど、でもまるで何かの罪の意識を感じているみたいな顔をして、



「タカが死んでしまわないように見張ってて。」


それはとても悲しそうな瞳だった。


言葉が出ない。


一体彼は、あたしにどうしてほしいのだろう。


困りあぐねて顔を俯かせた刹那、バンッ、と玄関の方から大きな物音が響き、びくりと肩をあげた。


何事なのかと道明さんと顔を見合せてそちらへと向かうと、



「タカ?!」


「おい、タカ!」


脇腹を押え、壁に寄り掛かって立つ傷だらけのタカの姿。


手負いの獣みたいな目をして、彼ははぁはぁと肩で息をする。



「誰にやられたんだ?」


冷静に聞いた道明さんにも、



「うるせぇんだよ!
アンタにケツ拭いてもらおうなんて思ってねぇよ!」


タカは怒鳴り散らした。


死と隣り合わせに生きるということの現実。


お前なぁ、とこめかみを押さえた道明さんは、



「追い込み掛ける時は相手にも逃げ道作ってやれ、っていつも言ってるだろ。」