次に目を覚ました時には、タカの部屋でベッドに寝かされていた。


シロまで布団の中に潜り込んでいることに気付いた時には、少し笑ってしまったけれど。


まぁ、あのままうちにいて、春樹と彼が蜂合わせるようなことにならずに済んだことだけは幸いだ。


タカは「起きた?」と言いながら、あたしの頬に手を触れさせる。



「これ、鎮痛剤だから、飲んだら少しは違うと思うし。」


そう言って、ミネラルウォーターを共に、それを手渡してくれた。


何とか体を起こし、薬を流し込むと、タカは少しだけ安心したかのような顔をする。


あたしは笑顔を作った。



「ありがとね。」


あれからどれくらいが経ったのかはわからないが、でも先ほどよりはずっと体が楽になっていた。


タカはそっとあたしを抱き寄せる。



「俺の姉ちゃん、殺されたんだ。」


「…うん。」


「だからあの時と同じようにお前まで、って思ったら、寿命が縮んだよ。」


彼はまるであたしの体温を確認するかのように、首筋へと顔をうずめる。


胸が締め付けられそうだった。



「あたしは弟を恨むことでしか生きられない女だよ?」


「………」


「だから本当は、タカが思ってるよりずっと汚なくて、醜いの。」


リサ、とあたしの言葉を遮った彼は、



「そんな風に言うなよ。」