確認するように問うたあたしはきっと、春樹を侮蔑するような目をしていたと思う。


彼は舌打ち混じりに、手にしていた封筒を床へと叩き付けた。


そしてあたしの胸ぐらを掴み上げる。



「黙れよ、クソが!」


すごむように低い声で、春樹はあたしに吐き捨てた。


けれど、負けるわけにはいかない。



「罪悪感があるなら、死んで詫びるくらいやってみたら?」


「うるせぇんだよ!」


「まぁ、アンタが死んだって木下くんは生き返らないけどね。」


言った瞬間、ドンッ、と壁に突き飛ばされた。


一瞬呼吸さえも出来なくなり、生理的にごほごほと咳き込むと、



「今度は腕だけじゃ済まねぇぞ。」


春樹は恐ろしいほどの形相で、あたしの首を鷲掴む。


ちょうど一年前の今日、今とまったく同じ言葉で彼を蔑んだあたしは、逆に殴られて腕の骨を折ってしまった。


でも、恐怖なんて感じないの。



「殺したいなら殺せば?」


あたしが鼻で笑うと、



「見下してんじゃねぇぞ!」


春樹は叫び散らした。


首に掛けられた手に力が込められるが、それでもあたしは目前の彼から目を逸らさない。


すると今度は拳が降ってきた。