「あれっ?委員長も雨宿り?」




――――気付かれた!!




爽やかなシトラスの香りと言うよりは、色っぽい甘さのフレグランスのような声が、私を呼んだ。



因みに、委員長というのはただのあだ名。


実際にクラス委員みたいなものは無い。



私が硬直していると、




「委員長?」




ニコニコと近づいてきた。


「っ、はい」


「委員長ンちって、この近くかな?」


「いえ、少し歩きますけど…」



「そっかぁ」



彼は凄く残念そうに言った。