生ビールを二つと、軽くつまめるものをいくつか。


「んじゃ、乾杯しよっか」


「なにに?」

「再会を祝す感じで?」



変わらないな、と。


この、緩い感じとか、曖昧な感じとか。


付き合ってる時は、ソレが嫌だったのに。

今こうしていると、なんだか凄く落ち着く。



「何、オレの顔ジッと見て」

「見てないし」

「嘘、うそ!オレに見とれてたなら素直にそう言えばいいのに」

「違うっつーのに!!」

「照れんなって」

「うざい!!」

「あははっ、変わってねぇー!」


変わってないのは、そっちも同じだ。


「なぁ」

「何?」



妙に真面目な顔で、アタシの顔をじっとみた。


何だか変な意識をしてしまって、上手く息が吸えない。


あっちが言葉を発しないから、こっちも何も言えず、妙な空気が流れた。


「な、何よぅ」




「あのさぁ…」