「いらっしゃいませー」



生活の為に、仕事は選んでいられないけれど。


接客業って、ホントに嫌い。


なんか変な客も来るし、


夜は酔っぱらいとか、


マツゲと髪の毛がバサバサのキャルとか、

ズボンの裾引きずり放題の、香水臭いのガキ共も来る。


アタシは、毎日一生懸命働いてるのに、


誰の金かわからない金で、制服のままタバコをレジに放り投げてくる頭の悪いガキを見ると、頭にくる。


「年齢確認のできるもの…」


「売れよ、うぜぇな」


「未成年には販売できません」


「うっせぇな、売れっつってんだろ!!」



胸ぐらを捕まれた。


「殴ったら?制服に、名札ついてるよね。名前も学校もバッチリだからあとで連絡してあげるよ。暴行、恐喝、営業妨害。防犯カメラもバッチリだから、立派な犯罪者の仲間入りだね」

と言ってやると、そのクソガキは、アタシから手を離し、仲間と一緒に出ていった。


あぁ、ホントにウザイ!! 誰だ、あんな阿呆を野放しにしやがって、しっかり躾しろよ保護者は!!


クソガキにイラつかされたが、とりあえず、笑顔に切り替えて接客に戻る。


「いらっしゃいませー、お弁当温めますかあ?」



返事はない。



「580円になりまーす」


無言のまま、千円札が寄越された。


「420円のお返しです」


お釣りを返したのに、お客は退かなかった。


後ろに並んでる人がいなかったけれど、アタシは不信に思って顔を見上げた。