「そりゃぁ、野菜食べなくちゃダメだもの。


 すりつぶしたり、野菜の味を変えてみたりしたの。」




「え?」



「あの私が出したスープなんて、にんじんスープよ?」




「にっにんじん!?」



「そう。すりつぶして、においをなくしたりしてみたの。

 隠し味に甘いのを入れてるわ」



「そうなの・・・。工夫されてるのね。柚華すごいわっ!!」



「家族の人が、野菜嫌いだったからね」



「そうなの?」




そう、祖父が野菜が嫌いでしょうがなくて。



料理人でも手が終えないっていったから。



私が作ったら、美味しそうに食べてくれたのを思い出して、



それを一樹様にだしたのだ。






あの、初めて美味しそうに笑顔を一瞬でももらした、祖父の顔を。



思い出したのだ。