「ママ、塀の終わり見える?」


「あたしには見えないけど…実紅は?」


「あたしにも見えない…」


大きいとは聞いていたけど、そのでかさは尋常じゃなかった。


「杏子様でいらっしゃいますか?」


「あっ、はい!そうですけど」


「こちらからお入りください」


さすが組長の家だけあって、案内してくれた人もいかにもヤクザって感じ…


「杏子!実紅ちゃん!いらっしゃい!」


通された部屋には着物に身を包んだ鉄心さん。


「実紅ちゃん元気だったか?」


「鉄心さんって極道の息子だったんですね…」


「あれ?言ってなかった?」


普段ジーパンにTシャツの鉄心さんが和服が似合ってるんだから、極道の雰囲気ってやっぱし凄い。