「お疲れ様」

 振り返るとそこには、桃香がいた。

「お疲れ」

 桃香はまるでそれが当たり前のように充の隣に並んだ。

 その後ろに、列ができていく。

「ねえ、木下くん」

「ん?」

「ご飯でも、どう?」

 桃香からの誘いは、これが初めてだった。

「いいね」

 充は心の中でガッツポーズをしながら、ポーカーフェイスで応える。

 そして燃えるように芽生える下心。

 もしかしたら、今夜も桃香と……。