充には今の桃香を笑顔にする術が全くわからない。

 見当もつかない。

 桃香は色んな意味で他の女たちとは違っている。

 違いすぎて、正直なところ手に負えない。

 もっと言ってしまえば、非常に面倒だ。

 諦めたい。

 手を引きたい。

 それが得策であるとわかっているからだ。

 他に女はいくらかいる。

 なのに。

 痛々しい彼女にどんどん引き込まれていく。

 自らの罪に苦しむ彼女に、何かをしてあげたいと思ってしまう。

 それは他の女たちとはちょっと違う、おかしな感情だった。