気まずそうにこちらを向いた桃香の顔は、一言で言えば、ボロボロだった。

 目は腫れてちゃんと開いていないし、赤いし、クマもあるし、よく見ると頬も腫れているし……。

 彼女に一体何が起きたのか、充には想像もできなかった。

「木下くん、どうしてこんなとこにいるの?」

 声すらガラガラで、すっかり疲れきっているようだ。

「どうしてって、たまたま寄っただけだよ」

 桃香に会いたかったからとは言わないでおく。

「タイミング悪すぎよ」

「そんなのどうだっていいよ。何があったの?」

「気にしないで」

「無理だよ」