しかし、レジを終えて店の外に出た時。

 Tシャツにハーフパンツ、サンダル。

 そして緩いパーマのかかった髪を一つに束ねた女性の姿が目に入った。

 女性は片手に財布を抱えており、どうやらこのコンビニに向かってきているようだった。

 うつむいて歩いているため顔がよく見えない。

 充は車に乗り込まず、その女性を目で追った。

 桃香である可能性が極めて高かったからだ。

 彼女との距離が10メートルを切ったとき、俯いていた顔がふとこちらを向いた。

 彼女は確かに桃香だった。

 しかし彼女は充を認識するなり、立ち止まって再び俯いてしまった。