翌朝、彼女を送った後、充は一人、桃香の住むアパートの近所にあるコンビニに立ち寄った。

 もしかしたら会えるかもしれない。

 そんな気持ちがハンドルを操作したのだ。

 車を駐車場に入れて、一旦周囲を見回してみる。

 住宅地であるが、人は小学生くらいしか見当たらなかった。

 店舗に入ると、昼間から酒を買い込む中年女性、そしてやはり、小学生。

 桃香の姿はない。

 入って何も買わないのも気まずいので、充はとりあえずタバコとコーヒーを買って帰ることにした。

 いつもの缶コーヒーを手に取り、小学生の後ろに並ぶ。

 待っている間外に目を向けてみたが、やっぱり桃香は現れなかった。