「うん。具合悪い人が居るとか思ってさ。ビックリして行ったら、寝てたんだって」

「寝てた」

「うん」

「二月に? 外で」

「うん外で、地面で」

「……バカなの?」


 あたしは吹き出した。あの時に考えた事と一緒だったから。

「そこからの、知り合い。ケータイとメアド交換して……」

 言い終わると、2人はじっと黙っていた。その沈黙に耐えられないんですけど。

「ああ! ほらこの間! あれそうか。そっか、うちの学校に居たね美少年」

 美由樹が突然そう言い出す。ああそうか、2人は冬海と会ったことがあったね。「あれかぁ、可愛いよね」と頭をぴょこぴょこさせている。

「ああ、あれか!

 梓もそれに反応した。みんなの記憶が合致して、一件落着。そして、とても恥ずかしいんですけど……。

「芸能記者的に言うと、幸田 晃・熱愛発覚」

 ニコニコしながら美由樹が言った。

「そんなんじゃないって、2人に期待させて悪いけど」

「いままで男の影なかったし、どうなるんだろうね」

 コーラのカップの蓋を開け、氷を口に入れてガリガリとやる梓。