「んで? 生徒会長の事はまず分かりました。そんで? 美少年ってなに?」

 美由樹が足をバタつかせながら言った。

「あんた、そっちが気になってんでしょ」梓は足を組み直す。

「だってそうでしょー。うちの学校に美少年なんか居たっけ」

 はぁ。正直、冬海の事は話したくなかった。とか言ったら怒られるかな。


「実は」

 もの凄い勢いで前のめりになる梓と美由樹。どんだけ興味津々なんだか。


 あたしは自分の分のコーラをひとくち、飲んで話し始めた。

「二月にさ。高1の二月ね、学校の花壇で人が倒れてて……」

「それが美少年?」美由樹、食い気味。

「美由樹うっせーっつの、最後まで聞く」梓、間髪入れず。